その時どんな治療がありますか?

【目次】
標準治療とは
自由診療とは
先進医療とは
民間療法とは
がんの治療期間
がんの罹患率等

 標準治療 
多くの臨床試験や研究結果に基づき、有効性と安全性が確認されており、公的医療保険が適用される治療です。自己負担額が高額になった場合には、高額療養費制度を利用できます。
がんの三大治療として、
・手術療法
・薬物療法(抗がん剤治療、ホルモン療法、分子標的療法、免疫療法)
・放射線治療
などがあります。

 自由診療 
健康保険などの公的医療保険が適用されない医療行為のことです。治療にかかる費用はすべて患者の自己負担となるため高額になることがあります。国内未承認の医薬品や新しい治療法など、保険診療では選択できない治療の選択肢が増えるというメリットがあります。
・保険適用外の薬物療法(未承認薬、適応外薬など)
・保険適用外の放射線治療
・がんゲノム医療など

 先進医療 
厚生労働大臣の承認を受けた高度な医療技術を用いた治療法のことで、陽子線治療や重粒子線治療、内視鏡手術支援ロボットを用いた手術などがあります。これらの治療は、従来の標準治療では治療効果が見込めない場合に有効な選択肢となる場合がありますが、技術料が高額になることが多いです。
・陽子線治療・重粒子線治療
・内視鏡手術支援ロボット(ダビンチ)による患部の切除
・分子標的薬の適応外使用を伴う抗悪性腫瘍剤治療など

 民間療法 
たくさんの種類があり、定義も明確ではありませんが、医師以外の人、または自分自身の判断で行う、病気の改善や健康増進を目的とした行為のことです。
・瞑想、ヨガ、バイオフィードバック、催眠療法、リラクセーション、音楽療法、アロマセラピーなど
・ビタミン、ハーブ、サプリメント、健康食品など
・鍼や灸、マッサージ、カイロプラクティックなど
・レイキ、セラピューテック・タッチなど
・アーユルベーダ、伝統的中医学、ホメオパシー、自然療法薬など

 がんの治療期間 
<平均的な治療日数と通院回数>
入院期間(平均治療日数)
厚生労働省・令和2年患者調査の概況
平均入院日数 約18.2日〜19.6日
これは全体的な平均であり、がんの種類や治療内容によって幅があります。

手術療法
内視鏡的な切除:3〜7日間
腹腔鏡手術:1週間程度
開腹手術:2~3週間程度
乳がんの場合:乳房温存手術で3〜4日、全摘で7〜9日程度
呼吸器がん(手術):術後7日程度
胃がん(手術):1~2週間
大腸がん(手術):5〜14日

通院日数・通院頻度
入院期間が短縮された分、外来での通院治療が増えています。治療の種類によって通院頻度や期間は異なります。

化学療法(抗がん剤治療)
多くの場合、点滴治療となり、1~3週間に1回のペースで行われます。

放射線治療
多くは外来通院で行われます。
通常の外部照射では、週5回(平日毎日)行われることが多く、治療期間は4〜8週間程度が平均とされています。
総照射回数は10回から40回程度です。1回あたりの治療期間は10〜40分程度です。
早期肺がんに対する「定位放射線治療」のように、4回程度の短期通院で済む高精度な治療もあります。

ホルモン療法
経口薬が中心となるため、通院頻度は比較的少なくなります。
「2ヶ月から3ヶ月に1回」のペースで通院する人が65%というデータもあります。
3ヶ月分の薬をまとめて処分されるケースも多いです。

経過観察
治療が終了した後も、再発の有無や副作用の確認のために定期的な通院が必要となります。がん初発時の定期的な通院年数は、平均2.4年というデータもあります。がんの種類によっては数年にわたって通院が続くこともあります。

重要な注意点
これらの数字はあくまで平均や一般的な傾向を示すもので、個々の患者さんの状況とは異なります。最新の治療法や個別化された医療の進展により、治療期間や通院頻度も変化しています。具体的な治療計画や期間については、担当医から十分に説明を受け、疑問があれば積極的に質問することが大切です。

 がんの罹患率等 
生涯にがんと診断される確率(2021年データに基づく)
男性:63.3%(約2人に1人)
女性:50.8%(約3人に1人)

年間のがん罹患数(2021年)
988,900例(男性555,918例 女性432,982例)

日本人ががんで死亡する確率(2023年のデータに基づく)
男性:24.7%(約4人に1人)
女性:17.2%(約6人に1人)

がん罹患数の順位(2021年)

がん死亡数の順位(2023年)


がんの生存率
がんの生存率は、「診断から特定の期間が経過した時点で生存している人の割合」を示します。一時的に「5年生存率」がよく用いられますが、長期的な予後を見るために「10年生存率」も用いられます。

※相対生存率
診断されてから5年後(10年後)の実測生存率(死因を問わない場合の生存率)を、対象者と同じ特性(年齢、性別、地域など)を持った一般集団(一般の日本国民)の生存率(期待生存率)で割って計算します。がん以外の死因による死亡の影響を補正し、治療でどれだけ生命を救えるかを示すのに用いられます。

全がんの相対生存率
部位別の5年相対生存率